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精神障害者の雇用が急増していることをご存知だろうか。厚生労働省の最新データ(2015年6月)によると、その数は約3万5000人。5年前は約1万人、9年前は約2000人だったから、まさに「急増」と言ってよい。精神障害者は見かけ上、健常者と変わらないため、職場ではさまざまな問題も起きる。彼ら彼女らはどんな壁を感じているのか。受け入れ側はどんな配慮を求められているのか。外見からは障害者とすぐに分からないからこその悩み。2018年4月からは身体障害者・知的障害者に加えて精神障害者の雇用も義務付けになる。それを前に試行錯誤の職場を歩いた。
統合失調症の男性、手際よく仕事
東京都武蔵村山市。大型ショッピングモールが立ち並ぶ一角に花の加工センター「スマイル」はある。従業員は約30人。2年前から精神障害者の雇用を始め、今は2人が働く。56歳の渡邊廣巳さんもその一人で、統合失調症を患っている。担当は花束の箱詰め。建物内を小走りに動き、決められた数の花束を素早く、手際よく仕分けていく。
花束を運ぶ渡邊さん(左)。手際よく作業をこなす
「1日5000とか箱に詰める、多い時は1万とかもっと多い時は2万とか。リズムでやっているんで。途中で仕事が切れる方が、疲れがどっと出ちゃう」
突然の発症、生活も乱れて
同性愛者である渡邊さんは30歳で発症した。40歳ごろまでは、2週間に1回の通院。その間に生活の面倒を見てくれていた母が亡くなったこともあって、症状はさらに悪化したという。「食生活が乱れて、薬も飲まなくなって」。あるとき、自殺しようと薬を飲む。自宅に来た兄に「薬いっぱい飲んだんだけど、死.ねなかった」と言うと、精神病院に連れて行かれた。そして6か月間、入院する。
「いろんな人生送ってきて、『この病院で終わりだな』って思ったんですけど、死.ねない。死ぬ夢は見るんですけど、死.ねなかった」
医師と二人三脚の治療で渡邊さんは退院を果たした。治療は続いたが、少しずつ症状は軽くなっていく。やがて生活を立て直そうと、障害を隠さず、ホテルの客室清掃の仕事に就いた。その時、53歳になっていた。
「どうしても健常者と同じノルマができない」
精神障害は外見では分からない。それを象徴するような問題はそこで起きた。
渡邊さんの目標は1日13室だった。健常者の仕事と同じ作業量である。上司は最初、客室のベッドメイキングだけを任せるつもりだったという。ところが、渡邊さんの外見や受け答えなどから「それぐらいできる」と思い、部屋の清掃などを含め健常者と同じ仕事を任せた。「コミュニケーション能力も根性もあるから、『できる』と思ってやらせた、と上司は言っていましたね」と渡邊さんは振り返る。
実際は、そうは運ばなかった。11部屋まではできるのに、どうしても12部屋以上ができない。原因は「プレッシャーだった」という。健常者と同じノルマをプレッシャーに感じ、渡邊さんは再び症状を悪化させていく。そして1年ほどで退職した。
差別的な言葉と視線も
プレッシャーだけが問題ではなかった。
「やっぱり(一部の同僚からは)避けられました。挨拶しても無視。一緒のエレベーターに乗っても無視。そういうの、嫌だった。そういう人とも普通にしたかったんですけど……。『ホモ』『きちがい野郎』って。(話しかけると)『おかまのきちがいに言われたくないよ』って……。(障害者のことを)勉強している人だったら精神障害者への理解もあると思うけど、そうじゃない人にとっては『精神障害者はきちがい』は本音だと思います」※
54歳でホテルの仕事を辞めた後、渡邊さんは就労に向けて活動を続けた。その間に頼ったのは東京の就労移行支援事業所「りたりこワークス」。ビジネスマナーやパソコンの使い方など、就労に必要なスキルを教え、障害者の就職をサポートする。全国に50カ所以上の拠点があり展開、これまで精神障害者を中心に約4000人を就職させてきた。
その事業所の一つ「錦糸町」センター長の鈴木健夫さんによると、ここに通うのは8割が精神障害者だ。かつては障害を抱えずに働いていたのに、途中で発症して一度社会から離れ、そして症状が安定してきたので再び職場を目指す―。そんな人がほぼ半分になるという。
精神障害者“5年で3倍” (2016/10/26 Wed 14:20:57) pc *.20.251.135 メールを送る
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