
ゲイとして生きていく上での心や体の悩みを相談してみよう。ネット上にいる兄貴や弟が相談にのります。
相談者への大きな誤解があるようなので、あえて、再度ご認識を頂きたいと思います。
「死にたい」といった深刻な悩みは誰にでも打ち明けているのではありません。 あなたならば自分の悩みをさらけ出しても、きっと真剣に耳を傾けてくれるのでは ないかと思い、打ち明けています。自殺の危険の高い人というのは、「死んでしま いたい」という気持ちと「助けて欲しい。苦しみを受け止めて欲しい」という気持ちの間で激しく揺れ動き続けています。「死にたい」という言葉は、「苦痛を和らげて欲しい」「最後まで見捨てないで欲しい」など様々な意味をもっています。絶望的な気持ちを打ち明けて、何とか助けて欲しいと、必死になって訴えていること を理解する必要があります。
絶望感に圧倒されている人は、相手が自分のことをどう思っているかという点 にひどく敏感になっています。ほんのわずかな言動も過敏に受け取って、口を閉ざしてしまいます。したがって、一生懸命耳を傾けながら、誠実な態度をとり続けることが重要です。
初期には徹底的に聞き役に回ることが大切です。それは簡単なようで、実際は とても難しいものです。本人の絶望感がひしひしと伝わってきて、聞いている側が 不安になり、自殺を思いとどまらせるような何か一言を言ってあげたいという気持ちが強まってくるでしょう。しかしそんな時でも、相手の言葉やその言葉の背景にある感情を一生懸命理解するように努めましょう。そうすることによって、何とか助けになりたいという気持ちが自然に相手に伝わっていくようになります。「それは本当に大変でしたね」、「とても辛い思いをしているのですね」などと本人の 気持ちに共感していることを伝えることが大切です。
黙りこんでしまう時には、何とか励まそうとか、助言を与えようという気持ち が強くなってきます。しかし、この沈黙の時間を共有することが大切です。あまり に辛くて、言葉にできないという状態を受け止めること。「あなたと一緒にここにいる」という感覚が伝わるだけでも、十分意味があるのです。
相談者の場合、聞き役に徹していたのでしょう。そのやり取りの中で、相手に対して尋問的にならず、自分から話してくれることを理解しようとしたのでしょう。相手が誰かということよりも、相手に寄り添うことを優先されたと認識しています。その過渡に思いもよらず連絡がとれなくなったと推測します。「死にたい」なんて言ってくる人とは避けて通る人が多い中、よく傾聴して頂けたと感謝しています。人の痛みや辛い思いをされた方だからこそ、人に優しくできたのでしょう。相談者自身、どんなに一生懸命対応しても「もっとこうしてやれば、こういうことを言ってあげれば、」と自分を責めているはずです。私たちがこの相談者を支え、応援するようにしましょう。それが勇気を出して相談された方への優しさではないでしょうか。
迦楼羅(再投稿) (2020/11/11 Wed 16:32:59) pc *.8.13.0 メールを送る
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